今回は「ドイツ人のすごい働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密 」を読んで自分なりに重要だと感じた点をまとめ、わかりやすく解説します。本書を読んで、感じたことをドイツ人の働き方、ドイツと日本の仕事への意識の違い、ドイツと日本の社会の仕組みの違い、明日から使えるドイツ式の働き方の順に解説していきます。日本の働き方とはかなり異なる点がありますので、それぞれのメリット・デメリットを理解していきましょう!
作品概要
タイトル | ドイツ人のすごい働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密 |
著者名 | 西村 栄基 |
出版社 | すばる舎 |
ページ数 | P221 |
あらすじ
2023年、ドイツのGDPは日本を抜き世界第3位にー
なぜドイツ人は日本人に比べて圧倒的に少ない労働日数・労働時間で、日本の約1.5倍の生産性を出すことができるのだろうか?日常業務からマネジメントまでのドイツ式の働き方を徹底的に理解し、日本との働き方の違いを比較する。現在まで、商社駐在員として17年間ドイツで働いてる著者が考える日本の労働環境に当てはめてドイツ式×日本式の新たな労働のあり方を提案する。
ドイツの働き方
ドイツ人の働き方と日本での働き方を比較します。
ドイツ人の働き方とは一言で表すと「限られた時間内に、最高限の結果を出す」ことです。休日に関しては、ドイツでは有給休暇は年に30日と普段の休みを加えて140日も休日があり、病欠も有給休暇に含まれないそうです。一方、日本での平均有給休暇率が10日前後で普段の休みを加えると120日前後であるそうだ。また、
日本人の働き方では、自分の時間を犠牲にしても仕事を終わらせることドイツでの働き方は決められた時間内でしっかりと終わらせるという違いがあると述べています。この違いは、キリスト教プロテスタントの「労働は罰」という考え方とビスマルクによる「医療保険法」「労災保険法」「年金保険法」という歴史的背景から労働に関するドイツ人の意識の違いが生まれたといいます。
仕事に対する意識の違い社会の仕組みの違いと分けて説明します。
ドイツと日本の仕事への意識の違い
日本では、大学卒業後新卒社員として働き始め会社が育てていくというOJT制度が一般とされています。しかし、ドイツでは大学を卒業してもすぐには働くことはできず、大学院や企業のトレーニングプログラムに参加するなどして本格的に働くのが30歳前後になるそうです。そのような観点から日本ではジェネラリスト(あらゆる業務を遂行できる人)を作り出す企業が多く、ドイツではスペシャリスト(専門家)を作り出す企業が多いと言えるでしょう。
ドイツと日本の社会の仕組みの違い
この章では、ドイツと日本の社会の仕組みの違いについてトップダウン(会社において上司から部下へするアプローチ)とボトムアップ(幼少期の頃から会社に入るまで行う社会訓練)という2つに分けて説明します。
トップダウン
ドイツでは気軽に上司に相談をしやすい雰囲気があるといいます。上司をうまく活用するという考え方があり、部下が業務を遂行しやすいよう、仕事のことはもちろんのこと、個人に対するストレス管理もあるそうです。一方、日本では仕事を1人でやることを美徳とする考えがあります。私も日本の企業で働いてみて感じたことなのですが、相談や報告をしようとしても常に上司が忙しそうにしており、なかなか行けなかったという経験があります。(笑)ほかの方にも相談しようとしてもイヤそうな顔をされることも何度も経験しました。
ボトムアップ
ドイツと日本の仕事への意識の違いの章でも説明したように、ドイツではスペシャリストが求められています。スペシャリストを生み出すための制度として2つご紹介します。
1つ目は、「ジョブ型雇用」です。「ジョブ型雇用」とは、ある専門的な知識を持っている人を採用する制度で、入社する人を即戦力として考えます。一方で、日本では「メンバーシップ型雇用」といって、潜在的な能力がありそうな人を採用し、採用後に研修などを通じて成長させるという制度です。
2つ目の制度として、「マイスター制度」があります。「マイスター制度」とは専門的な試験に合格した人を給与面など優遇的な措置をとる制度です。これらの制度にも専門的な知識を身に着けてから社会に出ることができるというメリットがありますが、一方でデメリットもあります。早い段階から自分の進路を選ぶため、その進路が本当に自分に向いているのか、今後廃れてしまうことはないのかという心配が常にあるそうです。
ここで、今まで比較した日本とドイツの違いについて表にすると以下のようになります。
ドイツ | 日本 | |
休暇 | 140日前後 | 120日前後 |
働き始める年齢 | 30歳から | 22歳から |
求められるもの | スペシャリスト | ジェネラリスト |
雇用制度 | ジョブ型雇用 | メンバーシップ型雇用 |
上司の在り方 | 業務を遂行するためのサポート | 部下が1人でやる雰囲気 |
明日から使えるドイツ式の働き方
この章では、今の環境でも明日から使えるドイツ式の働き方をご紹介します。
皆さんは仕事で使うデスクはきれいに整理整頓されていますか?
資料が机の上に散らばっている人もいれば、きれいに整頓されている人もいると思います。しかし、効率的に仕事がしやすいように整頓をしている人はなかなかいないのではないでしょうか。
ドイツでは、「人生の半分は整理整頓」ということわざがあるように、片づけに対する意識が高く、本書では、3つの原則があるといいます。
・ホームポジションの原則・・・・・・モノの住所を決めて、使ったら必ず戻す
・スリムアップの原則・・・・・・定期的に持ち物を見直し、最低限のモノ以外は整理する
・アップデートの原則・・・・・・もしモノを買ったら、同じ種類・用途のモノを手放す
明日からでも使えそうなこの3原則を守れば、結果として探し物を探す時間を短縮し、効率的な仕事ができるのではないでしょうか。
能ある鷹たちへ
いかがだったでしょうか?
皆さんもドイツ人の働き方を理解する中で羨ましいと思う部分はかなり多いと思います。本書を読んで今の働きに疑問を持つ人が増えれば、日本の働き方も改善されてくると思います。ドイツ人の働き方として、印象に残った内容は改札がなく、抜き打ちでチェック働くということに対してそれほどラフに考えることが今の仕事がつらいと感じる人にとって楽になるのではないでしょうか。
本書では、この記事で紹介したドイツ人と日本人の働き方やそれに関する意識や仕組みの違い以外にも著者が実際に経験したドイツでの1日の働き方やドイツ式×日本式の働き方を新たに提案していますので、この記事を読んで気になった方はぜひご購読よろしくお願いします。
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